2014/02/22

「らしさの演出とは。 デレク・ジャーマンそして中村好文」

先日、ネットの記事かなんかで
たぶん同年代くらいの園芸家の
特集された記事をみて
その人がすごく今っぽくてかっこよかったので
早速本を注文して買ったのだが
残念ながらボクにはいいなと思えるものがあまりなかった。

その人は「デレク・ジャーマンの庭」って本に
すごく影響を受けてるみたいです。
ちなみにボクも大好きな本です
この庭はつくられてる場所や作者の哲学や人生そして病気など
が絡み合ってできたもので
そこが美しいんだと思う。

top_01.jpg

その人のつくったものは
ボクの勝手な印象では
表層的でインスタントで
物語があんまりボクには感じられないものだった。
その辺が今っぽいかっこいいところなのかもしれないけど。。。

だからと言ってボクがそうじゃないものを作れますよ的な
ことを言いたいわけではなく
それをみてて
ちょっと前に読んだ
建築家の中村好文さんの
「パン屋の手紙」という本を思い出した。
この本は建築家と施主の設計依頼から完成までの
手紙のやりとりを中心に構成された本で
その中で一度だけちょっとした確執みたいな部分があって
そのときの中村好文さんの言葉にほんとに感動し
そしてドキっとしました。

現場が進んで行く中で
施主に中村さんが
「もう少し粗末な感じにならないですか?」
と言われたことがことのはじまり

『ぼくは建築家ですから
やはり構造や、性能や、使い勝手や、耐久性を最優先に考えます。
それを別な言い方をすれば機能性や合理性ということになると思います。
そしてそのような機能性や合理性に裏打ちされた建築こそが
「美しい」という信念がぼくの中にはあります。

唐突ですが
女性の美しさにたとえるとわかりやすいと思います。
健康な身体と健全な精神をもち、知的で、姿勢の正しい生き方を
している女性は美しいと思います。
お化粧などしなくても素顔そのものがすでに美しいと。
妙な言い方になりますが
ぼくもそういう本来の意味で「健康で姿勢の正しい建築」をめざしています。
たんなる見栄えのために、作為的なこと、わざとらしいことはしないし
お化粧しません。
精神の形がそのまま建築に表れればそれでよいと思ってます。
(中略)

と、いうわけでぼくは
「粗末な感じ」「素朴な感じ」「小屋らしさ」を出すために演出するのは
やはり本末転倒ではないかと思っています。
それも一種の「お化粧」だからです。
このことをよくよくご理解いただきたいと思っています』


工事も中盤くらいに差し掛かって
この言葉を施主に言えるのはほんとに勇気のいることだし
信頼関係もすごいなって。

とくになにが言いたかったわけではないですし
つながりもないのかもですが
この文章を思い出したので^^;

やっぱりボクはほんものをつくりたいです。
それでいて今を感じれるようなものを。


 
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